CD-RWの記録方式による違いとは?

CD-RWドライブのカタログには、ゾーンCLVやパーシャルCAVなどの表記が見られます。記録方式らしいのですが違いがよく分かりません。それぞれにメリットはあるのでしょうか?

これらはディスクの回転制御方式の名称です。CD-Rディスクは記録密度が常に一定で、ディスクの回転速度を高めれば読み書きできるデータが増えて速度が上がります。しかし回転数を高めるとディスクの耐久性低下や振動の増加を招き、正確な読み書きが困難になります。これらの問題を抑えつつ速度向上を図った回転制御方式が「ゾーンCLV」や「パーシャルCAV」です。

 本来、CD-RWドライブでは「CLV」(Constant Linear Velocity:線速度一定)か「CAV」(Constant Angular Velocity:角速度一定)のどちらかが使われていました。CLVは、データ転送速度が常に一定なことから音楽CDの再生などに使われます。ディスクの信号は内周から外周へらせん状に記録されていて、同じ記録密度なら内周より外周のほうがデータを多く記録できます。このため、CLVのように速度を一定にするには外周側で回転速度を落とす必要があります。この方式のデメリットは、ディスクを回転させるモーターの制御が複雑になりアクセス速度で不利なことです。

●ディスク回転方式による速度の違い

 CD-ROMディスクの読み出しには回転数一定のCAVで動作させるCD-RWドライブが一般的です。CAVはモーター制御が単純化できるので、CLVに比べてアクセス速度が有利になります。また回転速度が一定なので外周側ほど読み出せるデータ量が増え、全体的にはデータ転送速度が高速化します。

 一方、記録精度の高さが要求されるCD-RWディスクでは、高速な記録をCLVで行うのは困難です。例えばCD-Rディスクに40倍速で記録するには、1分間で2万回転以上とハードディスクより速く回転させる必要があり、現実的ではありません。CAVでは、最高速度に達するにはディスクいっぱいに記録する必要があり、また内周側との速度差も大きく、レーザーパワーの制御が難しくなります。

 そこで記録精度を保てる回転数に抑えながら、可能な限りの速度を達成するのがゾーンCLVの狙いです。ゾーンCLVでは速度を切り上げるポイントを設定し、信号を記録するピックアップがポイントに到達すると16倍速から20倍速というように速度を切り上げます。ポイント間では速度一定のCLVなので回転数は一定以下に抑えられ、CD-Rディスクの記録でも精度を維持できます。最高速度もCAVより早く達します。

 パーシャルCAVは、仕組みが異なりますがゾーンCLVと狙いは同じです。回転速度一定のCAVで動作し、最高速度に達するとCLVに切り替えて回転数を落としていきます。

 ゾーンCLVは、速度を切り上げるときエラー防止機能が働くため「書き継ぎがあり信号の正確さという点に欠けるのでは」(ヤマハ)という意見があれば、パーシャルCAVも「レーザーパワーの制御が難しく正確な信号を記録できないのではないか」(某ドライブメーカー)という意見もあります。速度面では最大速度が同じなら両者の違いはほぼありません。製品選びのポイントとしての重要度は低いでしょう。






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