2層DVDメディアの互換性は大丈夫?

「DVD+R DL」に対応するドライブの購入を考えています。しかし、DVD+R DLのメディアは他の機器で認識できないことが多いと聞きました。これは本当ですか。

「DVD+R DL」は、記録層を2層化することで、現行の片面1層4.7GBメディアの約1.8倍、8.5GBの容量を実現します。DVDタイトルと同等の画質なら、4.7GBでは1時間程度しか録画できなかったものが、8.5GBなら約1.8時間も録画できます。

 DVD+R DLメディアは記録層の数を除けばDVD+Rと構造はほぼ同じなので、本来ならDVD+R DLメディアに記録したDVD-Videoなどは、現行のDVDプレーヤーでそのまま再生できるはずです。

 しかし残念ながら、DVD+R DLメディアの再生互換性は現状では低いのは事実です。例えば、初期に登場したDVD+R DL対応ドライブで記録したDVD+R DLメディアを、一部のDVD機器で再生すると「失敗する」、という報告がメーカーに寄せられています。

 再生互換性が低い最大の要因は、「ブックタイプ」です。ブックタイプとは、再生機器がメディアの種類を識別するのに利用する情報で、データ記録時にメディアへ書き込まれます。DVD+R DLメディアのブックタイプは当然「DVD+R DL」です。しかし、DVD+R DL規格が発表された2004年1月以前に発売された機器では、DVD+R DLメディアは未知のメディアです。そのままでは認識できない可能性があるのです。

●ブックタイプの違いで互換性に差
データの記録時に、メディアの種類を表すブックタイプが記録される。再生する機器はこの部分で、再生可能なメディアかどうかを判別する

 再生機器によっては、ブックタイプの前にメディアの特性をチェックしただけで、「再生不可」と判断するケースもあります。チェックは「記録可能か再生専用か」「片面か両面か」「1層か2層か」など基本的な部分を行いますが、DVD+R DLの特性である片面2層記録メディアは、「存在しない」としてはじくのです。

 いくつかのドライブメーカーでは、出荷するDVD+R DL対応ドライブのファームウエアを書き換えて、記録時のブックタイプを「DVD-ROM」にする、いわゆる「ROM化」という処理を施しています。ブックタイプを一般的なDVD-ROMにすることで、再生機器を“騙す”わけです。

 ROM化機能の有無は、機器の外観やパッケージでは判断できません。下図に示した「DVDINFOPro」を使い、記録したメディアのブックタイプを調べると判別可能です。傾向としては、大手国内メーカー製品、それも最近発売されたものほど、ROM化機能を搭載する可能性が高いようです。なお、メディアをROM化してもメディア特性のチェックに対しては効果がありません。

●ブックタイプはソフトで調べられる
試用が可能なシエアウエア「DVDINFOPro」(http://www.dvdinfopro.com/から入手可能)で、メディアのブックタイプを調べることができる

 DVD+R DLメディアの入手は、現在でも困難な状況が続いています。互換性の問題も考慮すると、片面2層記録の利用環境が整うのは今年秋以降になるでしょう。






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